本研究室では、次世代自動車や移動ロボット、遠隔操作システムなど、我々の社会や生活に貢献できる知能移動体の開発を目指しています。
ロボットをはじめとする知能移動体が人間と共存し、人間を支援するために必要な技術についての研究を行っています。

次世代自動車


移動ロボット


遠隔操作システム

1. 次世代自動車

本研究室では、交通事故ゼロ社会を実現するために、人とのインタラクションを考慮した制御技術の開発に取り組んでおります。



1.1. 他車の車線変更の自動検知および軌道予測システム

人為的要因により発生する交通事故の主要因として、運転者の認知の遅れが挙げらます。本研究では、他運転者が行う車線変更を事前に予測し、運転者の認知をサポートするシステムを構築しております。車線変更は一時的に発生するものではなく、連続とした時系列的の行動であるため、現時刻までの計測情報に基づいた軌道予測を行い、予測情報を運転意図推定の特徴量として用い、推定性能の改善が可能な手法の構築に取り組んでおります。​


代表論文





1.2. 後続運転者の操作特性を考慮した先進型車間距離制御システム

代表的な運転支援システムとして車間距離制御システム(ACC, Adaptive Cruise Control)が挙げらます。従来の車間距離制御システムでは、自車の前方に割り込みが発生した際、割り込み車両との衝突を回避するため急減速を行うことになるます。そのため、自車を追従する後続車両と衝突する恐れがあると考えられます。そこで本研究では、割り込み車両および後続車両の数秒先までの動きを予測し、両車との衝突リスクを最小化するように車間距離の制御を行うシステムの開発に取り組んでおります。​


代表論文





1.3. 自専道合流部における自律割り込みシステム

人が運転する車と自動運転車が混在する環境下でもぶつからない自律走行技術を確立するためには,人とのインタラクションを考慮した制御技術が求められます。本研究では、自動車専用道路の合流部において自動運転車が合流車線から渋滞している本線に割り込む走行シーンを想定し、本線のドライバとのインタラクションを考慮することにより、ぶつかることなく割り込みが可能な制御システムの構築を目的とします。


代表論文





2. 移動ロボット

本研究室では、人間と共存し、社会に貢献できる知能ロボットの開発を目指しています。



2.1. 移動ロボットによる放射線源の位置推定および経路計画システム

事故後の原子炉建屋内のように未知の放射線源が存在しているような状況においては、作業者の被曝リスクを低減するため、空間中の放射線源の分布を把握することが非常に重要になります。本研究では、移動ロボットに搭載した放射線検出器を用いて空間中の放射線源の位置を推定する手法の構築を目指します。ロボットが自律的に探索を行うためには、放射線源を計測する計測点を自動的に決定するアルゴリズムが必要になります。そこで、ロボットに搭載されたセンサ群から取得される情報に基づき、効率的な探索が可能な経路を生成する手法を構築します。​


代表論文





2.2. 歩行者の姿勢に基づいた移動経路の予測手法

混雑した環境下でもロボットを安全に動かすためには、周りの歩行者の動きを予測し、適切に移動経路を計画する必要があります。本研究では、歩行者の姿勢を推定することで移動方向の変化を予測する手法を構築します。これにより、歩行者の瞬間的な移動方向の変化に対してもぶつかることなく、安全に移動できるシステムの構築を目指しています。


代表論文





3. 遠隔操作システム

本研究室では、人間を支援し、社会に貢献できる遠隔操作システムの開発を目指しています。



3.1. 遠隔操作のためのオペレータへの映像提示システム

人間が作業することが困難な災害地や廃炉現場では、遠隔操作ロボットアーム等を用いることが想定されていますが、ロボットアームを用いて安全かつ確実に作業を行うためには、オペレータに適切なカメラの映像を提示する必要があります。本研究では、環境情報および作業内容に基づき、作業中のオペレータに対して適切な視点を提示するためのカメラ配置手法および映像提示手法の開発を行います。具体的には、3次元環境情報、作業のターゲットの情報などから複数台のカメラの適切な位置を計算する手法を開発するとともに、画像から3次元の環境モデルを構築するシステムの開発に取り組んでいます。


代表論文





3.2. 極限環境における強化学習を用いたロボットアームの制御システム

災害地や廃炉現場といった極限環境下では、広域における環境情報を正確に取得することは困難になります。そこで本研究では、センサの計測精度が保証される局所領域内におけるロボットアームの自律制御手法の構築に取り組みます。機械学習の一種である強化学習を用いてオペレータが指定したポイントまでにアームを自律的に動かすアルゴリズムを開発しています。​