

ロボットセル生産システムなどを対象に最新の生産管理手法を用いた高効率生産システムの研究、作業分析結果から最適な生産方式を決定する研究などを行う。 なお、システムシュミレーターを開発し、実証実験も行う。
・確率変動を考慮した最適生産管理方式の検討
・作業分析を用いたライン生産方式とセル生産方式の選択基準の決定法 <詳細>

近年、首都圏鉄道ネットワークの整備が急速に進んでいるが、鉄道利用者の速達性と利便性がどうの湯に向上しているかを定量的かつ多面的に分析し、望ましい将来の方向性について提言する。

近年、日本の近隣諸国の発展で相対的に日本の総合交通体系の弱さが指摘されるようになってきた。 そこで、国際的視点に立った陸・海・空における国内輸送網全体の最適化について研究し、国際競争に強いシステムについて検討する。
・多変量解析による地方都市交通の評価 <詳細>
・エントロピー・モデルにおける高速道路料金の推定 <詳細>
・東アジアを結ぶ新たな貨物輸送航路の提案 <詳細>

最近では、CS(顧客満足度)が企業で重要視され、主観的評価基準による設計ツールの開発が注目されている。 そこで、デザイン、操作性、そして質感などの顧客ごとに異なる主観的評価(感性)を考慮た設計法について研究する。
・感性イメージスケールを利用した製品設計 <詳細>
・感性工学を用いた椅子のデザイン <詳細>
・3次元デザインマトリックスを用いた設計支援システム <詳細>

以下のようなテーマや学生自身の興味のある問題に対してオペレーションズ・リサーチの切り口でモデル解析の作成、解析を行う。
@断層型地震を考慮した鉄道の安全対策
・関東甲信越地方における大地震発生時の列車事故被害低減策 <詳細>
A環境負荷を考慮した総合交通システム
・物流における環境負荷低減にむけたモーダルシフト推進案 <詳細>
B環境負荷を考量した各種交通機械のシェアリングシステムに関する研究
・環境負荷低減を狙った自転車シェアリングシステムに関する研究 <詳細>
C住宅ケア支援のための自立会話システム
・ブレイン・マシン・インターフェース(脳波を用いた意思伝達システム)の開発 <詳細>
・順応及び音楽を考慮した新たな騒音対策 <詳細>
D生体情報を用いた製品設計法の開発
・ユーザーの疲労を考慮した製品設計 <詳細>
・操作性評価に基づく携帯電話の設計開発 <詳細>
・脳波解析による椅子の設計法の開発 <詳細>
E暗黙知を考慮した新製品開発法
・潜在的な需要に着目した製品開発法 <詳細>
・多変量解析を用いたニーズ分析による製品開発法
F待ち行列モデルの実問題への適応
G産業用ロボットの作業分析と新提案
Hその他独自研究
・ヒューマンファクターを考慮したトンネル火災における人的災害の防止策 <詳細>
・家庭用品を対象としたヒューマンファクター事故防止に関する研究 <詳細>
・航空機事故のヒューマン・ファクター・モデルに関する研究


作業分析を用いたライン生産方式とセル生産方式の選択基準の決定法
現在、ライン生産方式からセル生産方式に切り替える生産工場が増えてきた。
しかし、ライン生産方式からセル生産方式に切り替える基準が明確でないため、ライン生産方式からセル生産方式に切り替えた会社の中で、セル生産方式がその会社の製品を製造するのに適していないことがわかり、再び従来のライン生産方式に切り替えた会社も現れている。
そこで、本研究では、作業時間の確率的変動を考慮した作業分析を用いたライン生産方式とセル生産方式の選択基準について検討している。
同時に、それぞれのハードウェア・シミュレータを開発し、それぞれの生産方式における構造的問題も検討している。

首都圏鉄道網の評価と新路線計画
2000年に施行された交通バリアフリー法によって、近年、公共交通事業者による鉄道駅等の旅客施設及び車両のバリアフリー化が進められてきた。
これは、交通弱者が公共交通機関を利用したときの利便性・安全性向上を促進する目的で行われているが、交通弱者とそうでない利用者の双方にとって利便性・安全性が向上しているかといった観点からの評価を行っている。
また、近年、人口減少や新線開通、相互乗り入れ、ダイヤ改正などにより、通勤時間帯の首都圏鉄道の混雑は緩和されているが、いまだに利用者の不満は大きい。
したがって、本研究では、通勤時間帯の混雑、目的地までの所要時間、乗り換えの不便さなど、既存路線の問題を実際に調査し、首都圏全体として快適で利便性の高い新路線を提案している。

各種交通ネットワ−クの評価と最適設計
これまでに研究してきた交通ネットワークの主なものとして,以下が挙げられる。
1.「中国鉄道網の評価と新線計画について」
中国からの留学生(北方交通大学から大学院生として当研究室に所属)によって中国の鉄道網の研究が行われ、中国全域にわたって全駅間の所要時間を算出し、地域による利便性マップを作成した。
この結果をもとに新線計画を立案し、学会発表でも高評価を受けた。
2.「全国鉄道網の評価と新線計画について」
日本国内の鉄道網について、全国規模で実態調査を行い、問題把握をするとともに海外の鉄道網との比較による評価を行った。
3.「全国航空網の評価とハブ空港の可能性について」
アジア諸国と比較して、日本の空港は国際ハブ空港としての役割が弱く、問題点が指摘されている。
それとともに、国内線においても直通便が主体となっているため、輸送効率が悪く、環境保全の観点からも好ましくない。
本研究では、まず国内線のハブ空港化の可能性を探るため、その得失を明確にし、最適なハブ空港数を算出した。
4.「首都高速道路網の評価と混雑緩和策について」
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多変量解析による地方都市交通の評価
現在の日本交通は、中央リニア新幹線の建設、高速道路無料化実験の実施、羽田空港の国際空港化、国際ハブ港湾計画など大きな変革の時代を迎えている。
これにともない、全国の都市における人やモノの流れは大きく変化していく。
各都市はこの変化に対応した対策を講じる必要がある。
そこで本研究では主成分分析を用いて、各都市の路線状況から現状交通を定量的に評価した。
さらにクラスター分析により交通過疎都市として分類された3つのグループを対象に、因子分析を用いて交通傾向を検証した。
これらの評価の中から交通過疎都市として評価された都市を例にして、交通過疎を解決する交通システムを提案する。

エントロピー・モデルにおける高速道路料金の推定
現在、日本の高速道路は実延長7,642kmあり、そのうち1,652km,50区間を対象に高速道路無料化実験が行われている。
ところが、その無料化実験の影響により交通量増加、それに伴う渋滞やCO2排出量の増加などが懸念されている。
そこで、本研究ではエントロピー・モデルを用いた適切な高速道路料金の設定方法を模索する。
無料化された50区間を対象にエントロピー・モデルを用いて料金比から交通量の推定を行った。
また、実績値と比較し大きな誤差が出た区間について主成分分析及びクラスター分析を行った。
以上の結果から、渋滞等が減少するような新料金の提案を行う。

東アジアを結ぶ新たな貨物輸送航路の提案
日本は周りを海に囲まれている海洋国家である。
1980年代には神戸港、横浜港、東京港がコンテナ取扱量上位20港に入っており、日本港湾は好調であった。
しかし、2005年のコンテナ貨物取扱量の上位20港に日本港湾の名前はなく、中国の上海港や韓国の釜山港がコンテナ貨物取扱量の上位に名を連ねている。
このことから、日本港湾が衰退してきていることがわかる。
そこで国土交通省は、2002年にスーパー中枢港湾計画、2011年には国際コンテナ戦略港湾といった日本港湾の復興を目指したプロジェクトを推進している。
本研究では、急成長している中国やコンテナ貨物取扱量の多い韓国と日本港湾を結ぶ貨物輸送航路を提案し、日本港湾の発展へ繋げていく。

感性イメージスケールを利用した製品設計
製品のデザインコンセプトとユーザが製品に持つイメージとの間にギャップが生じることがある。
そのため、ユーザがどのような製品に、どのようなイメージを持つのかを把握する必要がある。
本研究では自転車はデザインによってどのようにイメージが変化するのか、アンケートを行って調査し感性イメージスケールを作成する。
また、作成した感性イメージスケールから、自転車の新デザインを提案する。
研究対象に自転車を選んだ理由は、地球温暖化対策や健康志向の高まりから注目が集まり、今後利用者が増加すると予想されるからである。

感性工学を用いた椅子のデザイン
同じ製品でも、色や形、素材によって受ける印象は異なる。
そこで、製品から受けるイメージと日本語の形容詞の類似関係を図に出来れば、製品デザインに役立つと考えた。
本研究では、デザインする製品を椅子と決め、様々な種類の椅子と日本語形容詞の類似関係を調べることにより、顧客に狙い通りのイメージを与える事ができる製品作りがより容易に出来るようにする。
実際にデザインする製品を椅子にした理由は、椅子は年齢、性別を問わず誰でも知っている身近な家具であり、使用目的が明確かつ種類も豊富であるため、デザインを評価する際アンケートが取りやすいという利点があるからである。

3次元デザインマトリックスを用いた設計支援システム
日本は今後,少子高齢化によるマーケット縮小やグローバル市場での競争率の高度化が問題とされている。
そのため製品には「新たな差別化」が必要になってくる。
新たな差別化は人間特有の感性によって決められる部分が多い。
感性工学に基づいて設計方法など確立できないかどうか研究する。

関東甲信越地方における大地震発生時の列車事故被害低減策
現在の列車脱線被害低減策は、大きく分類して2種類存在する。
1つは早期地震検知警報システム「UrEDAS」によって列車を緊急停止させる方法である。
2つ目は、車両にガードを取り付けることによる軌道逸脱防止である。
しかし、それぞれに問題点を抱えており、「UrEDAS」による被害低減策は、大型の直下型地震には無力である。
また、車両にガードを取り付ける方法は、路線の基礎が強固である必要がある。
よって、本研究では、これらを補完しうる方策として、「列車すれ違いの削減」を行い、列車事故被害低減を狙う。

物流における環境負荷低減にむけたモーダルシフト推進案
京都議定書の策定によって日本の二酸化炭素排出量の削減目標が示され、目標達成を目指して運輸部門では、主にモーダルシフトの推進で削減を行おうとしている。
しかし、モーダルシフト先である船舶や鉄道による輸送では、輸送時間の点で、現在主流となっているトラック輸送に劣っているという問題がある。
したがって、運賃コストと時間コストの合計(輸送コスト)がトラック輸送のほうが安いという荷主の判断で、目標としているモーダルシフト化率をなかなか達成できない。
そこで、本研究では、船舶や鉄道の輸送コスト削減を目指して、港湾設備の自動化、ハブ港の推進、物流拠点の改善などについて取り組んでいる。

環境負荷低減を狙った自転車シェアリングシステムに関する研究
近年、世界的に電気自動車を利用した自動車交通によるCO² 排出量を低減する傾向がある。
しかし、自動車交通だけを考えたCO² 排出量の低減には限度がある。
そのため、今後は自動車交通だけを考えた交通だけでなく異種交通との連携を図った、CO² 排出量の低減が行える総合交通システムを考えることが重要である。
そこで、総合交通システムの架け橋となる、世界各地で行われている自転車シェアリングシステムに着目をする。
ただし、この自転車シェアリングシステムには各駐輪場の自転車利用率が異なることで正常なサービスが提供できないというシステム上、不便な点がある。
本研究では新宿駅周辺をモデルとしてシミュレーションモデルを作成し、この欠点を埋めるべく、自転車シェアリングシステムを効率的に運営する方法の提案することを目的とする。

順応及び音楽を考慮した新たな騒音対策
生活している上で“騒音”というものは、心身に影響を与える大きな問題である。
その騒音対策に関する研究のほとんどは、何らかの方法で騒音を小さくすることに焦点をあてている。
しかし、音楽などに代表されるように音圧レベルが高くとも騒音とは感じないケースもある。
そこで、本研究では、人の主観的判断による騒音問題について検討し、多くの音源をサンプリングし、それらのヒアリング調査をもとに騒音対策について取り組んでいる。
その結果、慣れによって、短時間で騒音とは感じなくなる音とそうでない音の相違点などを明確にすることができるため、騒音の発生を心理的に抑止できる方策を検討している。

ブレイン・マシン・インターフェース(脳波を用いた意思伝達システム)の開発
重度の運動系障害者の多くがコミュニケーション技術の多様化を必要としている。
したがって、近年、ブレイン・マシン・インターフェースが発達しており、社会的注目度も増している。
本研究では、利用者の肉体的負担を軽減するために、外科的手術をすることのない、脳波による意思伝達システムについて検討している。

ユーザーの疲労を考慮した製品設計
魅力ある製品開発において性能や機能だけでなく、使いやすさも重要である。
そこで、使いやすさを定量的に評価し、製品設計に反映する方法を検討する。
ここでは使いやすい製品を、疲労しにくい製品と定義する。
よって、疲労を定量的に評価するために、表面皮膚電位を指標とする。
また、本実験ではパソコンのキーボードの製品設計を行う。
キーボードは市場に様々なタイプのものがあり、比較検討しやすく、疲労による入力数の変化が現れやすいと期待できる。

操作性評価に基づく携帯電話の設計開発
製品開発はデザイン、コスト、ニーズなど様々な要因を考慮して行われている。
特に、ユーザ中心の「ユーザビリティ」という考え方が重視されている。
ユーザビリティとは、使い手にとっての使いやすさ、判りやすさのことである。
しかし、これらは曖昧で視覚化しにくく、アンケートなどの主観評価が主な手法である。
よりユーザビリティの高い製品開発を行うには、客観的なデータが必要である。
本研究では、携帯電話の操作性を生体信号を用いることで客観的に評価し、ユーザビリティの高い製品開発を行うことを目標とする。

脳波解析による椅子の設計法の開発
製品設計において、性能や機能は定量的に決定され設計に組み込まれている。
しかし、製品使用者に対するアンケート調査では、正確な製品に対する意見を得られない場合があり、製品設計の基準となる明確な情報を得ることが難しい。
その為、デザインや質感はそれを設計するデザイナーや設計者の感性に依存しており、ストレスの少ない製品の設計は現状では困難である。
そこで、脳波から得られる情報を用いることで、製品を使う人の状態を定量的に計測し、製品設計に役立てる
本研究では、椅子の製品設計法の開発を目指す。
椅子は日用品の中でもより多くの場所で使用され、使用時間も長い。
その為、生活の質の向上を目指す上で非常に重要である。

潜在的な需要に着目した製品開発法
商品の中には長期に渡り、消費者からの圧倒的な支持を受ける大ヒット商品というものが存在する。
しかしながら、製品開発の段階で消費者の購入につながるニーズを把握することは、かなり困難で失敗する製品開発も数知れない。
入念なるニーズ調査を行ったとしても、そのニーズが購入に至るまでの強いニーズであるかどうかの判断が困難であることと、消費者自身が本当に必要と感じていることをうまく表現できないなどの問題がある。
そこで、本研究では、暗黙知という消費者の潜在的ニーズに着目し、それを顕在化するための方法を明らかにし、購買につながるニーズを把握するためには、三次元CADを用いた試作品を数多く見せることが有効であることを示した。

ヒューマンファクターを考慮したトンネル火災における人的災害の防止策
トンネル火災が大きな災害に発展している過去の事例を調査すると、その主な原因はヒューマンエラーとなっている。
そこで、本研究では、トンネル火災において、大災害へ発展につながるヒューマンエラーの発生を未然に防止するオペレーション戦略について研究している。
現在、延長11kmの中央環状新宿線が工事中であるが、ほぼ全線がトンネル区間となっており、さらに山間部の長大トンネルとは異なり、急勾配区間があることとカーブ区間、分合流部が幾つも存在する。
したがって、従来の山間部のトンネル火災よりも危険性が高くなることが予想されるため、これまでよりもさらに高度な安全性を有するトンネル防災システムの構築が推進されている。
この高度な安全性を達成するためには、ヒューマンエラーの発生をいかに防止するかにかかっているといっても過言ではない。

家庭用品を対象としたヒューマンファクター事故防止に関する研究
2006〜2008年度のヒューマンファクター(human factor,以降HF)を原因とする家庭用品の事故件数は、製品欠陥による死亡事故の7倍の件数となっている。
家電業界では「操作性向上の優先度が低い」、「新製品は機能と見た目が優先」といった問題があり、家庭用品自体が「人間がミスをする」という前提で考えられたデザインではないことも一つの問題となっている。
そこで、本研究ではHFが原因となる家庭用品事故の低減を目的とする。